肩の筋肉を鍛えられる代表的な種目である「オーバーヘッドプレス」の正しいフォーム、得られる効果をまとめています。
バーベルで行う最も古い上半身のトレーニング種目と言われているのが、オーバーヘッドプレスです。
ダンベルで行う方法もありますが、バーベルで行うことでオーバーヘッドプレスの最大の効果を発揮することができるのです。
今回は、肩を鍛える筋トレ種目で最も効果的なオーバーヘッドプレスを徹底解説していきます。
本記事の内容
- オーバーヘッドプレスの正しいやり方
- オーダーヘッドプレスの効果
先にオーバーヘッドプレスのフォームが知りたいって方は「オーバーヘッドプレスの正しいやり方」をご覧ください。
本記事では、Mark Rippetoe著 スターティングストレングス を参考にしています。
目次
肩の筋トレ種目の中でオーバーヘッドプレスが1番優れている!
肩の筋肉である三角筋は、その名の通り(前・横・後)と3つに分かれています。
三角筋を鍛える筋トレ種目はたくさんありますが、その中でも1番効果が高いのがオーバーヘッドプレスです。
オーバーヘッドプレスは、地面から得た力を、脚→体幹を通して肩→腕からバーベルへと伝える一連の全身運動です。肩の筋肉を全体的に鍛えるだけでなく背中や腕など上半身すべての筋肉を動員させることができます。
また、基本的に関与する筋肉が多いほど優れたトレーニング種目と言えます。
オーバーヘッドプレスは、「BIG3(ベンチプレス・スクワット・デッドリフト)」と合わせて「筋トレBIG4」とも呼ばれることがあります。ベンチプレスと並んで最も優れた上半身のトレーニング種目です。
肩の筋肉を肥大させるのにも非常に効果的なトレーニング種目なので、ぜひ取り入れることをおすすめします。
BIG3の正しいフォームが知りたい方はこちらをご覧ください!
BIG3のフォームはこちらで解説
実用性を求めるならベンチプレスよりオーバーヘッドプレスをやるべき!
スポールの為のトレーニングという観点から言えば、ベンチプレスよりもオーバーヘッドプレスの方が効果的です。
水泳を除く、上半身の筋力が必要なすべてのスポーツでは、地面から得た力を利用して上半身→腕→ボールやバットに伝える必要があります。
- ピッチャーがボールを投げる時
- バッティングする時
- ラケットでボールを打ち返す時
- ラグビーでタックルする時
すべての状況下で地面から得た力を利用しなければいけません。
オーバーヘッドプレスも地面から得た力を、脚→体幹を通して肩→腕からバーベルへと伝える一連の全身運動であるので、ほとんどのスポーツの動きに通じます。
スポーツにおける運動能力向上を目指すのなら、オーバーヘッドプレスが非常に有効であると言えるのです。
オーバーヘッドプレスは、ハーフラックとバーベルがあれば自宅でも行うことができますよ!
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オーバーヘッドプレスで鍛えられる筋肉
オーバーヘッドプレスの対象筋は、肩の筋肉である三角筋です。
しかし、三角筋以外の筋肉も鍛えることができる点が、オーバーヘッドプレスが優れた種目である理由です。オーバーヘッドプレスで鍛えられる筋肉をご紹介します。
鍛えられる筋肉
- 肩全体(前・中・後)
- 僧帽筋
- 腕(上腕三頭筋)
- 腹筋
- 脊柱起立筋
オーバーヘッドプレスでは、肩と腕に加えて、僧帽筋、腹筋、腹斜筋、肋骨周りの筋群、背中といった体幹の筋群の筋力が鍛えられます。
立った姿勢で重たいバーベルを手に持って頭の上に押し上げる中で、全身でバランスを取る力も鍛えられます。
オーバーヘッドプレスは、他のどんな上半身トレーニング種目よりも多くの筋肉を動員する非常に効果的な筋トレ種目なのです。
筋肉を肥大させるのにも非常に有効的で、肩の筋肉をバランスよく鍛えることができます。オーバーヘッドプレスは、肩幅を広げるといった効果も期待できます。
オーバーヘッドプレスはダンベルを使ったバリエーションもあり、バーベルよりもダンベルを使った方が筋肥大に効果的です。
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【肩の筋肥大に効果的!】ダンベルオーバーヘッドプレスの正しいやり方
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オーバーヘッドプレスの正しいやり方
オーバーヘッドプレスのフォームをご紹介します。
適切なフォームをマスターすることでトレーニングの効果が上がるだけでなく、ケガのリスクを下げる効果もあるので是非マスターしていきましょう。
参考動画
ポイント
- サムアラウンドグリップで握る
- バーベルを持った時に前腕がバーに対して垂直になる位置が「良い手幅」
- 人差し指で手幅を決め、手のひらの生命線とバーベルが平行になるよう握る
- バーベルをラックから外し、肩をすくませて上と前に少しだけ出して、三角筋の前部に載せる(できない人はムリにしなくてもいい)
- 胸をしっかりと張る
- 大きく息を吸い込んで息を止め、頭の上にバーベルを押し挙げる
- バーベルの軌道は、肩の真上のライン(肩の前から鉛直な軌道)
- 押し上げると同時に股関節を前に押し出して身体を反らせるとやりやすい
三角筋の筋肥大に最適なトレーニング量について知りたい方は週何セット必要?三角筋前部の筋肥大に効果的な筋トレボリュームとはをご覧ください!
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バーベルの握り方
出典:https://stronglifts.com/overhead-press/
バーベルの握り方は大きく2種類あります。
- サムレスグリップ…親指をバーから離す握り方です。
- サムアラウンドグリップ…親指もバーに巻きつける握り方(手でバーを握りしめる)です。
オーバーヘッドプレスでは、サムアラウンドグリップを使うようにしましょう。
サムアラウンドグリップは前腕を使って強く握りしめることができます。
これが筋肉を引き締め、バーベルを押し上げる動作の効率を上げ、腕や上半身をより連動させることに繋がります。
つまり、より重い重量を扱えるということです。
逆にサムレスグリップは、親指をバーから離すので重量が重くなると維持するのが難しくなります。
誤ってバーベルを滑らしてしまうと大事故に繋がるのでオススメしません。
サムアラウンドグリップを使う理由
- バーベルを押し上げる動作の効率を上げ、腕や上半身をより連動させられることで「使用重量が上がるから
- サムレスグリップは、バーベルを滑らしてしまうと大事故に繋がるから
バーベルを持つ手幅
オーバーヘッドプレスのバーベルを持つ手幅は人によって変わってきます。
正確に言うと腕の長さ(肩から肘と肘から手首まで)によって、より効率的に力を加えられる手幅が決まってくるのです。
バーベルを持つ手幅のポイント
- バーベルを持った時に前腕がバーに対して垂直になる位置が「最も良い手幅」
- 人差し指で手幅を決め、手のひらの生命線とバーベルが平行になるよう握る
- 握った時、バーベルの真下に前腕の骨が来る
バーベルを持つ手幅は、広くても狭くてもダメです。
バーベルをプレス(持ち上げる)する時に、前腕がバーに対して垂直の位置から動作を始めるのが最も効率的にパワーを使えることができます。
バーを握る時、ただサムアラウンドグリップで握るのではなく手のひらの生命線とバーベルが平行になるようにすると、最もバーベルに力を加えることができます。
少し斜めに握る感覚でバーベルを握ると、結果的に効果的な握り方になります。
スタートポジション
出典:https://stronglifts.com/overhead-press/
次にスタートポジションを解説していきます。
バーベルショルダープレスを正しいフォームで行うためには、スタートポジションが非常に重要です。
スタートポジションのポイント
- 無理に重いバーベルを扱わない(エゴはやめよう)
- バーベルをラックから外し、三角筋の前部に載せる(前腕が長い人は無理に載せなくて良い)
- この時、肩をすくませて上と前に少しだけ出すと載せやすい
- 三角筋前部に載せたら、横から見ると肘がバーベルより少しだけ前に出る状態を作る
- 最後に胸をしっかりと張る(おっぱいを見せびらかすような意識)
- 足のスタンスは、スクワットと同じでOK
まず大切なことが、無理に重い重量を扱わないことです。
ジムでトレーニングしていると、プライドが高いのか自分が正しいフォームで挙げられない以上の重量を使おうとしている人を多く見られます。
安全に確実に前進するためには正しいフォームで行うことが不可欠です。
バーベルショルダープレスのスタートポジションで大切なポイントは、バーベルを三角筋前部に載せ、しっかり胸を張ることです。
この時、肩をすくませて上と前に少しだけ出すと載せやすくなります。
スタートポジションをマスターするとプレスの動作に移りやすいです。
バーベルをプレスする
最後にバーベルをプレス(押し挙げる)する動作を解説していきます。
バーベルをプレスするときのポイント
- 大きく息を吸い込んで息を止め、頭の上にバーベルを押し挙げる
- 腕が伸びきるところまでバーベルを押し挙げる(肘を伸ばし切り、肩をすくめる)
- 押し挙げたバーベルの位置は、肩の真上(鉛直線上)
- バーベルの軌道は、肩の真上のライン(肩の前から鉛直な軌道)
- 押し上げると同時に股関節を前に押し出して身体を反らせるとやりやすい
- この時、膝と腰は動かさない
バーベルをプレスするときは、いかに効率的に力を加えられるが重要です。
特にバーベルの軌道がポイントです。バーベルの起動を床に対して垂直に行うことが最も効率的にバーベルに力を加えられます。
つまり、肩の前側から鉛直な軌道という意味です。
これを正しく行うためには、バーベルを押し上げると同時に股関節を前に押し出して身体を反らせる必要があります。
なぜなら、そのままバーベルをプレスすると顎に激突してしまうからです。
バーベルショルダープレスの正しいフォームのおさらい
オーバーヘッドプレスのやり方
- サムアラウンドグリップで握る
- バーベルを持った時に前腕がバーに対して垂直になる位置が「良い手幅」
- 人差し指で手幅を決め、手のひらの生命線とバーベルが平行になるよう握る
- バーベルをラックから外し、肩をすくませて上と前に少しだけ出して、三角筋の前部に載せる
- 胸をしっかりと張る
- 大きく息を吸い込んで息を止め、頭の上にバーベルを押し挙げる
- バーベルの軌道は、肩の真上のライン(肩の前から鉛直な軌道)
- 押し上げると同時に股関節を前に押し出して身体を反らせるとやりやすい
オーバーヘッドプレスの注意点!
これまでオーバーヘッドプレスの正しいフォームについてご紹介してきました。ここからは、オーバーヘッドプレスの注意点を解説します。
反動をつけない
出典:https://stronglifts.com/overhead-press/
オーバーヘッドプレスでよくある問題として、重量が大きくなると膝を使った反動で押し上げてしまうことです。
ベンチプレスやデッドリフトと違ってオーバーヘッドプレスで反動を使うのは悪いことではありません。
しかし、反動を使ったオーバーヘッドプレスは「プッシュプレス」という別のトレーニング種目になってしまうので、正しくオーバーヘッドプレスを行うならば、反動はつかないようにしましょう。
プッシュプレスの解説動画バックプレスはケガのリスクが高いのでやらない方がいい
オーバーヘッドプレスよりバックプレスをしている方が多い気がします。バックプレスの方が人気なのでしょうか?
結論から言うとバックプレスは、筋トレメニューから除外するのをおすすめします。
なぜなら、バックプレスの肩の動きは関節などにストレスをかけてしまい、肩のインピンジメントを引き起こす原因となるからです。
肩のインピンジメントが起こって腱板が炎症してしまうと肩を動かす上半身のトレーニングはすべて出来なくなります。
バックプレスにはかなりのリスクが伴うので、僕は筋トレメニューから外しています。
多くの筋トレYouTuberやボディビルダーがバックプレスを採用していますが、長く筋トレを続けていくならバックプレスは避けるべき筋トレ種目です。
参考動画:世界で最も危険な種目(バックプレス)まとめ:オーバーヘッドプレスで肩を鍛えよう!
正しいオーバーヘッドプレスのやり方・効果について徹底解説していきました。
肩を鍛える筋トレ種目の中で、筋肥大・筋力アップに最も効果があるのがオーバーヘッドプレスです。正しいフォームをマスターすることで本当の効果を得ることができます。
難易度は少し高めですが、オーバーヘッドプレスから得られる恩恵は絶大です。
肩を鍛えるメイン種目に組み込むのをオススメします!
それでは、いい筋トレライフを!