ルーマニアンデッドリフトのやり方・効果について知りたい方向けです。
ハムストリングの強化はケガの予防、運動性能の向上にとても重要です。そのハムストリングを鍛える代表的な種目の一つがルーマニアンデッドリフトです。
ルーマニアンデッドリフトは、ルーマニア人の Nicu Vlad というパワーリフターが行っていた種目で、彼がアメリカに広めたと言われています。
ルーマニアンデッドリフトは、デッドリフトの応用編であり、ハムストリングを強化するのに非常に有効な種目です。
また、ダンベルを使ったルーマニアンデッドリフトは、ダンベルがあれば自宅でもできるのでかなり使い勝手がいいトレーニング種目です。
今回は、ルーマニアンデッドリフトの正しいやり方や効果について解説していきます。
本記事の内容
- ルーマニアンデッドリフトの正しいやり方
- ルーマニアンデッドリフトの効果
本記事は下記の文献を参考にしています。
目次
通常のデッドリフトとルーマニアンデッドリフトはどこが違う?
ルーマニアンデッドリフトは、デッドリフトの応用編とも言える種目です。
しかし、ルーマニアンデッドリフトは、通常のデッドリフトといくつか異なる点があります。まずは、通常のデッドリフトとの違いを知ることから始めましょう。
- 大腿四頭筋をほとんど使わない
- エキセントリック収縮から動作が始まる
大腿四頭筋をほとんど使わない
ルーマニアンデッドリフトは、大腿四頭筋(太もも前側)をほとんど使いません。
これは、ルーマニアンデッドリフトでは膝がほとんど伸びきった状態から始めるからです。膝は非常に曲がりが小さい状態で変化しません。
その為、ルーマニアンデッドリフトの動作では膝を伸ばす為に大腿四頭筋が力を足す場面がないのです。
ルーマニアンデッドリフトは、よりハムストリングにフォーカスして鍛えることができるトレーニング種目と言えます。
エキセントリック収縮から始まる
通常のデッドリフトとルーマニアンデッドリフトでは根本的なところで明確な違いがあります。
- 通常のデッドリフトは、コンセントリック収縮でバーベルを地面から引くところから始まる
- ルーマニアンデッドリフトは、スクワットのようにエキセントリック収縮から動作が始まる
- コンセントリック収縮とは、ウエイトを持ち上げる・引き上げる・押し上げる動作のことで筋肉痛になりにくいのが特徴
- エキセントリック収縮とは、ウエイトを下ろす動作のことで筋肉痛になりやすいのが特徴
ルーマニアンデッドリフトは、エキセントリック収縮から始めることによって筋肉に強烈な刺激が入ります。ルーマニアンデッドリフトを行った後に強い筋肉痛が起こるのも、エキセントリック収縮が原因です。
ルーマニアンデッドリフトで鍛えられる筋肉
出典:https://www.sfphes.org/2019/09/musclename-bk.html
ルーマニアンデッドリフトで鍛えられる筋肉をご紹介します。どこの筋肉が使われているのかを意識してトレーニングすることが筋肉を大きくする為には大切ですよ。
鍛えられる筋肉
ハムストリング
大臀筋
ふくらはぎ
脊柱起立筋
筋肉の名前はこちらのサイトがすごく分かりやすいのでおすすめです。
ハムストリング
ハムストリングは、太ももの裏側の筋肉のことで、ルーマニアンデッドリフトはハムストリングを鍛えるのに非常に効果的なトレーニング種目です。
ルーマニアンデッドリフトは、股関節の伸展によって筋肉が動作します。したがってハムストリングの上側をメインに鍛えられます。
ハムストリングの下部を効果的に鍛える為には、膝の屈曲による種目である、ライイングレッグカールなどを合わせて行うとよりバランス良く鍛えることができます。
大臀筋
大臀筋はお尻の筋肉のことです。
ルーマニアンデッドリフトは大臀筋も効果的に鍛えることができます。
ふくらはぎ
ルーマニアンデッドリフトはふくらはぎも鍛えることができます。
まさにルーマニアンデッドリフトを行えば足の裏側を効果的にトレーニングすることができるのです。
脊柱起立筋
脊柱起立筋は、背中を縦にまっすぐ伸びている筋肉で、背中を曲げたり安定させたりするのに使われ、人体の中でもかなり重要な筋肉の一つです。
ルーマニアンデッドリフトで脊柱起立筋は、背中の姿勢を安定させる働きをします。
ルーマニアンデッドリフトの正しいやり方
ルーマニアンデッドリフトの正しいやり方をご紹介します。
Mark Rippetoe著 スターティングストレングスの教えに沿って解説していきます。正しいルーマニアンデッドリフトを覚えて怪我なく確実に強くなりましょう!
参考動画
一連のフォーム
- バーベルを持つ
- 通常のデッドリフトと同じ足幅(かかとを20〜30㎝開く)
- つま先を少し外に向け胸を張る
- 背中が真っ直ぐに固定された状態でバーベルを下ろし始める
- バーベルを下ろす時は、お尻を後ろに引いて股関節を曲げる
- バーベルを下ろす位置は、腰が曲がり始める手前
- 下ろしきったら静止せずにバーベルを上げる
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[ルーマニアンデッドリフト]フォームのポイント
ここからはフォームを細かく区切って確認していきます。初心者の方は一つの動作を確認しながら練習していきましょう。
ポイント
ルーマニアンデッドリフトの足幅
バーベルの握り方
背中を固定する
バーベルを下ろす動作
バーベルの軌道
ルーマニアンデッドリフトの足幅
ルーマニアンデッドリフトの足幅は、通常のデッドリフトと同じスタンスです。
つまり、かかとの距離が20〜30センチ程度(肩幅より少し狭い)のが理想的な足幅です。
つま先は少し外側に向けましょう。
バーベルの握り方
バーベルの握り方は、2パターンあります。
- 両方を順手で握る、ダブルオーバーハンドグリップ
- 片方を順手、もう片方を逆手で握る、オルターネイトグリップ
ルーマニアンデッドリフトでは、左右共に順手で握るダブルオーバーハンドグリップをおすすめします。
オルターネイトグリップは、左右差ができ肩に不均等なダメージがかかってしまいます。
背中を固定する
バーベルを持ったら胸を張り、背中をしっかり固定しましょう。
動作中に背中が曲がってしまうのが、ケガの一番の原因になります。通常のデッドリフト同様に背中の姿勢が非常に大切です。
バーベルを下ろす動作
バーベルを下ろすときは、お尻を後ろに引いて股関節を曲げます。バーベルを足から離してはいけません。
同時に肩をバーベルよりも前に出します。
バーベルを下ろすときは、すべてを後ろに持っていく意識が重要になります。
バーベルの軌道
バーベルの軌道は、垂直です。
足の中心の真上を垂直に上下します。余分なロスを生まない為にも重力に対して垂直な動きを心がけましょう。
ルーマニアンデッドリフトはダンベルでもできる
ダンベルを使ったルーマニアンデッドリフトも非常に効果的な種目です。
また、自宅でもできるので家トレを極めたい方にもおすすめです。
ダンベルルーマニアンデッドリフトもバーベルバージョンと同じ動きをします。上記でまとめたポイントをダンベルに変えて取り組んでみて下さい。
ダンベルバージョン
ダンベルは圧倒的に可変式ダンベルがおすすめです。可変式ダンベルがあれば重量調節も一発で、ストレスフリーでトレーニングに集中できます。
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まとめ:ルーマニアンデッドリフトで強くなる
以上、ルーマニアンデッドリフトの正しいやり方と効果についてまとめました。
ルーマニアンデッドリフトは、脚の裏側(ハムストリング、大臀筋、ふくらはぎ)を鍛えるのに非常に効果的なトレーニング種目です。
また、ハムストリングを鍛えることはケガの防止、スポーツにおけるパフォーマンス向上にも効果があります。
ルーマニアンデッドリフトで強くて逞しい下半身を作りましょう!
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