スモウデッドリフトの正しいやり方・効果について知りたい方向けです。
スモウデッドリフトとは、名の通り相撲の四股のように足幅を広げて行うデッドリフトのバリエーション種目です。
通常のデッドリフトよりも腰へのダメージが少ないのがポイントです。
腰に不安を抱えている方でも、
背中や下半身を効果的にトレーニングできる非常に優れた種目です。
通常のデッドリフトだけでなく、スモウデッドリフトも取り入れていつもと違った刺激で鍛えていきましょう!
本記事の内容
- 通常のデッドリフトとスモウデッドリフトの違い
- スモウデッドリフトの正しいフォーム
- スモウデッドリフトの効果
先にやり方を知りたい方は「スモウデッドリフトの正しいやり方」をご覧ください。
スモウデッドリフトは少しフォームが複雑なので初心者の方には難しいかもしれません。まずは通常のデッドリフトのフォームをマスターすることをおすすめします。正しいやり方は、「【海外のエビデンス付きで徹底解説!】バーベルデッドリフトのフォームと効果」をご覧ください。
目次
スモウデッドリフトで重点的に鍛えられる3つの筋肉
まず初めにスモウデッドリフトで鍛えられる筋肉をご紹介します。どこの筋肉が使われているのかを意識してトレーニングすることが、筋肉を大きくする為に大切なことですよ。
スモウデッドリフトで鍛えられる筋肉がたくさんありますが、その中で重点的に鍛えられる3つの筋肉は下記になります。
筋肉の名前はこちらのサイトがすごく分かりやすいのでおすすめです。
>>>>【筋肉の名前と作用の完全図鑑】筋トレ部位の名称と共働筋・拮抗筋|その鍛え方
①大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
スモウデッドリフトは、太ももの筋肉である大腿四頭筋を鍛える種目として非常に有効です。
大腿四頭筋は、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋の四つの筋肉の総称で、太もも前面にある筋肉です。人体の中で一番も大きな筋肉で、あらゆる動きに関与しています。
大腿四頭筋を鍛えると基礎代謝が上がり、痩せやすい身体を作ることに繋がります。
②大臀筋(だいでんきん)
大臀筋は、お尻の筋肉のことです。スモウデッドリフトで重点的に鍛えることができます。
人体の筋肉の中では二番目のサイズを持っています。大臀筋も大きな筋肉なので、鍛えることで基礎代謝が上がり、痩せやすい身体を作ることに繋がります。
スモウデッドリフトを取り入れることで、お尻が引き締まり、ヒップアップ効果も期待できますよ。
③僧帽筋(そうぼうきん)
僧帽筋とは、背中の上部から中部まで縦に伸びている筋肉のことです。僧帽筋もスモウデッドリフトで重点的に鍛えることができます。
人体の筋肉の大きさでは9番目です。大きな筋肉ではないですが、僧帽筋を鍛えることで分厚く盛り上がった背中を作ることに繋がります。
分厚い背中に憧れている男性は、スモウデッドリフトを取り入れることをおすすめします。
通常のデッドリフトとスモウデッドリフトの比較
次に通常のデッドリフトとスモウデッドリフトを比較していきます。
「通常のデッドリフトと何が違うの?」って疑問に思っている方に向けて、2つのデッドリフトの違いを表にしてまとめました。
スモウデッドリフト | 通常のデッドリフト | |
足幅 | 広い | 狭い |
バーベルの 移動距離 |
短い | 長い |
引き始め | きつい | 楽 |
ロックアウト | 楽 | きつい |
鍛えられる 主な筋肉 |
大臀筋、大腿四頭筋、 僧帽筋 |
脊柱起立筋、広背筋、 大臀筋、ハムストリング |
腰への負担 | 少ない | 大きい |
適した体格 | 胴体が短い、腕が長い | 胴体が長い、腕が短い |
通常のデッドリフトとスモウデッドリフトの大きな違いは、大胸筋への刺激と腰への負荷です。
スモウデッドリフトは、足幅を大きく広げて行います。
そのため股関節の重心が低くなりスクワットの動きに近づき、バーベルの移動距離が短くなります。
スモウデッドリフトは、大腿四頭筋や大臀筋などの下半身の筋肉がメインとして使われるので、脚トレメニューに含まれることが多いです。
また、通常のデッドリフトよりも身体を真っ直ぐに保った姿勢になることで、腰への負担が軽減されます。
腰痛持ちの方や腰に不安を抱えている方は、スモウデッドリフトを選択しましょう!
通常のデッドリフトとスモウデッドリフトについては、「【デッドリフト徹底比較】スモウVSコンベンショナルどっちがベター!?」でも比較しています。どっちをやるべきか悩んでいる方はご覧ください。
スモウデッドリフトの正しいやり方
スモウデッドリフトの正しいやり方をご紹介します。
参考動画ポイント
- 肩幅の2倍ほど足を開く
- つま先を30〜40°外側に向ける
- バーベルは足の中心の真上
- 股関節を曲げ、バーベルを握る(バーを持つ手幅は肩幅と同じ)
- 息を大きく吸い込み、腰を下ろす
- 床を押すイメージでバーベルを引き上げる
- 引き上げたら肩甲骨を引きつける(背中を反らさない)
- バーベルをゆっくり下ろす
スモウデッドリフト フォームの注意点
スモウデッドリフトは、筋トレ種目の中でもフォームの難易度が高めです。いくつかの注意点をご紹介するので、合わせて確認していきましょう。
一つずつ詳しく解説していきます。
バーベルにできるだけ近づく
通常のデッドリフトにも共通することですが、バーベルにできるだけ近づくことが重要です。
正確には、足の中心の真上にバーベルがくる位置がベストです。
ほとんど脛(すね)に触れるか触れないかの状態です。まずは、バーベルにできるだけ近づくことを意識しましょう。
バーベルを引き上げる時に膝は内側に入らないようする
バーベルを引き上げる時に膝が内側に入らないように意識しましょう。
そのためには、足幅を大きく広げることが必要になります。
自分が思っているより大きく広げるぐらいがちょうどいいです。その時、つま先は30〜40°外側に向けます。
バーベルの軌道は垂直に上下する
バーベルの軌道は垂直になるように意識しましょう。
そのためには、バーベルをしっかり体に引きつけることが重要です。
重力からズレないように垂直に引き上げることで、効率的な動きができるようになります。
ロックアウトで背中を反らさない
ロックアウト(上げ切った)した時に背中を反らさないことが大切です。背中を反らせることで腰への負担が大きくなり、腰のケガに繋がります。
ロックアウトしたら、肩甲骨を引き締め姿勢をコントロールしましょう。
スモウデッドリフトの効果
スモウデッドリフトは、通常のデッドリフトと同じく非常に優れたトレーニング種目です。スモウデッドリフトで得られる効果を解説します。
大腿四頭筋の筋肥大に効果的
スモウデッドリフトは、たくさんの筋肉を同時に鍛えることができるコンパウンド種目です。その中でも大腿四頭筋への筋肥大効果が大きいのが特徴的です。
スモウデッドリフトは、大腿四頭筋の筋肥大に非常に効果的です。
脚トレメニューに組み込むことをおすすめします。
運動パフォーマンス向上に効果的
基本的に一度に鍛えられる筋肉が多いほど優れたトレーニング種目と言われています。
スモウデッドリフトの場合、大腿四頭筋、ハムストリング、大臀筋、ふくらはぎ、脊柱起立筋、僧帽筋、広背筋、腹直筋など非常に多くの筋肉を同時に鍛えられます。
筋肥大だけでなく、スポーツにおけるパフォーマンス向上にも効果的なトレーニング種目です。
スモウデッドリフトの最適なセット数・レップ数
筋トレは、闇雲に限界までやればいいものではありません。筋力アップや筋肥大など目的に応じて最適なセット数・レップ数が変わってきます。
下記に最適なセット数・レップ数をまとめているので、自分の目的に合わせてチョイスしてください。
筋肥大を狙うセット数・レップ数
筋肉量の増加を目的とした場合のセット数・レップ数です。
- セット数‥‥1〜3セット
- レップ数‥‥5〜10レップ
- 頻度‥‥1〜2回/週
絶対に限界まで追い込まないようにしましょう!
5〜10レップの範囲で、
あと1〜2レップできるほどの余力を残した状態でリフトをやめましょう。
スモウデッドリフトで限界まで追い込む行為を続けていると、神経系の回復機能が破壊され必ず深刻なケガに繋がる恐れがあります。
また近年の研究で、限界まで追い込んだ後と、残り1〜2レップ余力を残した時の筋肥大効果に違いは見られないことがわかっています。
筋力アップを狙うセット数・レップ数
筋力アップを目的とした場合のセット数・レップ数です。
- セット数‥‥2〜4セット
- レップ数‥‥1〜5レップ
- 頻度‥‥1〜2回/週
筋力アップを目的とした場合も限界まで追い込まないように注意しましょう。
1〜5レップの範囲で、
あと1〜2レップできるほどの余力を残した状態でリフトをやめましょう。
筋肉が回復していても神経系の回復には時間がかかります。他のトレーニングにも影響がでることもあるので、限界まで追い込むことはおすすめできません。
まとめ
以上、スモウデッドリフトの正しいやり方・効果についてまとめました。
スモウデッドリフトは、通常のデッドリフトに比べて腰への負担が少ないので、腰に問題を抱えている方におすすめです。
大腿四頭筋や大臀筋と言った下半身の大きな筋肉をメインに鍛えることができるスモウデッドリフトは、マッチョになりたい男性だけでなくピップアップしたい女性にもおすすめな筋トレ種目ですよ。
正しいフォームをマスターして筋肥大・筋力アップを目指しましょう!
それでは、いい筋トレライフを送りましょう!
参考文献
Should you Deadlift Conventional or Sumo?