バーベルロウは、分厚くて広い背中を手に入れるのにかなり有効的な筋トレ種目の一つです。
バーベルロウとは、その名の通りバーベルを持ってローイング(引く動作)します。
バーベルロウは、大きく2つに分けられます。「ベントオーバーローイング」と「ペンドレイロウ」です。
今回はより筋肥大に効果的なペンドレイロウの正しいフォーム、効果、ベントオーバーローイングより効果的な理由を解説してきます。
本記事の内容
- ペンドレイロウの効果
- ペンドレイロウの正しいフォーム
- ペンドレイロウの最適な頻度とボリューム
目次
ペンドレイロウで鍛えられる背中の筋肉
ベントオーバーローイングが、上体を45~60度程度に前傾するのに対して、ペンドレイロウは上体を90度程度まで前傾し動作中は姿勢を維持し続けることが大きな特徴です。
言わばスティフレッグデッドリフトのスタートポジションと同じ姿勢です。
ペンドレイロウは、通常のバーベルロウ(ベントオーバーローイング)以上に多くの筋肉を関与させます。
ベントオーバーローイングで鍛えられる「広背筋」「上背部(僧帽筋や大円筋)」にプラスして90度の前傾姿勢を維持するために「下背部(脊柱起立筋や僧帽筋株)」「ハムストリング」「臀筋」と言った筋肉も鍛えることができます。
簡単にまとめるとペンドレイロウでは、背中の筋肉全てとハムストリング・臀筋を鍛えられるのです。
ペンドレイロウで鍛えられる筋肉
- 広背筋
- 大円筋
- 僧帽筋(上部・下部)
- 脊柱起立筋
- ハムストリング
- 臀筋
ペンドレイロウの効果【ベントオーバーローイングより効果あり】
ペンドレイロウは、ベントオーバーローイングよりもトレーニング効果アリです。
それは以下の理由から証明できます。
メモ
- ベントオーバーローイングよりも多くの筋肉が関与する(より多くの筋肉を鍛えられる)
- ベントオーバーローイングよりもケガのリスクが少ない
1)ベントオーバーローイングよりも多くの筋肉が関与する
ペンドレイロウは、動作の初めから終わりまで90度に前傾した姿勢を維持しなければならない種目です。
なので、ローイングの動きで働く筋肉に加えて姿勢を維持するのを保つ仕事も行うため、両方の効果を得ることができます。
効果の高いバーベル種目すべてに共通すべてに共通することとして、「動作中に行わなければならない仕事が多いほど優れたトレーニング種目」だと言えます。
この理由から、ベントオーバーローイングよりも多くの筋肉が関与するペンドレイロウの方がトレーニングの効果が高いと説明できます。
2)ベントオーバーローイングよりもケガのリスクが少ない
ベントオーバーローイングは、その動作からケガのリスクが懸念されます。
特に腰への負担が大きいのです。
前傾姿勢でバーベルをぶら下げる動作が腰に最も負荷がかかります。
もし腰を丸めるようなら一発で腰を痛めてしまう確率が高いのです。
その点、ペンドレイロウはすべてのレップが地面に始まり地面に終わります。
デッドリフトのようにバーベルを床に置いた状態から股関節や下背部、上背部のパワーを爆発させ一気に引き上げ床に戻します。
引き上げたバーベルを床に置くことで腰にかかる負荷が逃げて行きます。
この理由から、ペンドレイロウはベントオーバーローイングよりもケガのリスクが少ないトレーニング種目と言えます。
ペンドレイロウの正しいフォーム
ペンドレイロウは、ウェイトリフティングコーチであるグレン・ペンドレイからその名前がつけられた背中のバーベル種目です。
フォームの特性としてすべてのレップが地面に始まり地面に終わります。
特にスタートポジションが重要です。
ペンドレイロウの参考動画
ポイント
- 脚のスタンスはデッドリフトと同じ
- 手幅は人差し指の距離が55〜70センチの間
- ペンドレイロウのスタート姿勢(約90°に前傾する)
- お腹の上部に目がけてバーベルを引く
- バーベルを地面に置く
1)脚のスタンスはデッドリフトと同じ
ペンドレイロウの脚のスタンスは、デッドリフトと同じ足幅をとります。
かかとの距離が20〜30センチほど開きます。
2)手幅は人差し指の間隔が55~70センチの間
手幅はかなりの調整の余地があります。
多くの人は人差し指の間隔が55~70センチになるようにバーベルを握ると良いでしょう。引き切った時に肘が90度に曲がるのが良いフォームと言えます。
身長や手の長さによって変わってきます。
3)ペンドレイロウのスタート姿勢(約90度に前掲する)
膝を少し曲げて背中が約90度になるように前傾姿勢を作ります。
スティフレッグデッドリフトと同じフォームです。
スタート姿勢では、膝が完全に伸びきった状態を作ります。
重要なのは背中を丸めないこと、デッドリフトにも共通する点です。
脊柱起立筋によってがっちり固定された背中に対してハムストリングと臀筋を働きかけることが必要です。
バーベルの真上にお腹の上部がくる位置が最も効率的に力を加えられる位置になります。
4)お腹の上部に目がけてバーベルを引く
大きく息を吸い込んで、バーベルをお腹の上部にぶつけます。
肘を天井にぶつける意識を持って動作を行いましょう。
パワーの始まりはバーベルを持った腕ではなく、股間接の伸展です。
股間接を使ってバーベルを持った腕に力を伝えバーベルを引き上げるイメージです。
特に重量が大きくなると股間接を使う重要性が高まります。
バーベルの起動は、垂直に上下します。垂直な軌道が最も効率的にパワーを加えられます。
5)バーベルを地面に置く
引き上げた軌道と同じ軌道でバーベルを地面に置きます。
重要なポイントは、バーベルを毎回地面に着地させることです。
動作中、バーベルをバウンドさせる行為は絶対にやめるべきです。
バーベルを地面に置くと吸い込んだ息を吐いて、もう一度大きく息を吸い込んで次のレップに移りましょう。
バーベルの握り方【順手と逆手】
ペンドレイロウのバーベルの握り方として、順手と逆手どちらのバリエーションも効果的です。
通常のフォームでは順手で行いますが、逆手を取り入れた場合は上腕二頭筋や広背筋を特に働かせることができます。
しかし、逆手では高重量のペンドレイロウはやらないようにするべきです。
逆手にすると上腕二頭筋の関与が高まるのでバーベルの重量が上腕二頭筋にかかってきます。
上腕二頭筋は、背中の筋肉と違ってあまりサイズが大きくないので、普段バーベルカールで扱わないような重量だと上腕二頭筋のケガのリスクが高まります。
上腕二頭筋のケガのリスクを考慮すると、ペンドレイロウは順手で行うのが無難だと言えます。
適切な頻度とボリューム
ペンドレイロウの効果を最大化させるためには、一週間に2回の頻度で行うと良いでしょう。
1回のボリューム(セット×レップ)は、3セット・6~8レップ程度が目安です。
適切な頻度とボリューム
- 適切な頻度:1週間/2回
- 適切なボリューム:3セット×6~8レップ
ペンドレイロウは、高重量を扱えるのでトレーニング効果を高める為にも低~中程度のレップ数が良いでしょう。
ウォーミングアップは、バーベルシャフトのみから始めてメインセットまで少しずつ重量を増やしてきます。
高重量とは、あくまで完璧なフォームで扱える範囲の重量です。
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筋肥大に最適な筋トレ頻度はナチュラルは各部位週2回
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ペンドレイロウで背筋の筋肥大を最大化させる
今回はバーベルロウのバリエーション種目「ペンドレイロウ」について解説しました。
ペンドレイロウは、日本ではまだなじみが無いのでジムで取り入れている人はほとんど見ません。
でも、ベントオーバーローイングよりも「筋肥大」「ケガのリスク」などを含めて効果的だと断言します。
更にベントオーバーローイングよりも高重量を扱える種目なので、ナチュラルトレーニーにとって必須の「高重量+低ボリューム+短時間」にも貢献できる種目です。
ペンドレイロウを背中のトレーニングに取り入れて、広くて盛り上がった背中を手に入れましょう。